しごととおしごとの狭間で

ひっそりと140字では収まらない独り言を格納しようかと。備忘録で他人に読ませようというつもりはあまりないので、以前に軽く書いていたときの過去投稿を追加したり、文章を後から書き換えたりしようかなと思ったりします。(2019年1月現在)

少年社中「トゥーランドット 〜廃墟に眠る少年の夢〜」

サンシャイン劇場 2階5列25番
・作・演出 毛利亘宏

乃木坂界隈のパイセンのお導きで、生駒ちゃんが出てるんならってことで、これまで全く縁のなかった「少年社中」の芝居へ。

少なくとも自分が社会人になってから出てきた劇団だから、随分と若手なんだろうなと思っていたら、旗揚げ20周年公演なんだとか。

そりゃあ、早稲田劇研でいま勢いがあるよ、なんて触れ込みの双数姉妹を観てたのなんて、かれこれ30年近く前になるわけだから、そりゃあさもありなん、か。

 

さて、感想。

随所に大隈講堂の匂いは感じさせつつも、(往年の第三舞台や新感線の役者陣と比べると)人種が違うんじゃないかとしか言いようのない手足の長い2.5次元のイケメンが完璧なダンスパフォーマンスを見せて、ベテラン勢もきちんと台詞の間をとってメリハリをつけて、脚本もちゃんと構造計算されていて、客席もそれに呼応して相当な熱量が…って、こういう”イマ”の芝居を真正面から受け止めるにはおじさんはちょっと歳をとり過ぎたかも。

劇中でしつこく繰り返されたセリフ「野田秀樹は終わった」は、確かに劇場の温度を上げるようなステージ側・客席側の熱量という意味では、そろそろ野田秀樹と取り巻く客層は、枯れ始めているのかも。

そして生駒里奈。この人は、ここ何作かを経て、もはやこっちの世界(演劇)の人になったなという説得力のある芝居だったけど、犬天の得体の知れない狂気を孕んだ役に比べると、脚本演出がそういう役割を求めていないから仕方ないとはいえ、出てきた瞬間「この子は人を殺しはしないな」という上品さを出した演技で、少しだけ物足りなかったかも。