しごととおしごとの狭間で

ひっそりと140字では収まらない独り言を格納しようかと。備忘録で他人に読ませようというつもりはあまりないので、以前に軽く書いていたときの過去投稿を追加したり、文章を後から書き換えたりしようかなと思ったりします。(2019年1月現在)

ちゃんと終わること/ちゃんと始めること

有安杏果が、ももクロから抜けてしばらくの休息期間を経て、この3月から活動を再開するだとか。

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 律儀すぎる彼女のことだから、もし何か言うんだったら、卒業宣言をしたこの日なんだろうなと思っていたけれど、さらに、

とか、まあ普通にネタの仕込みがすごすぎますわね。

 1月15日といえば、かれこれ7年前の今日、かの第三舞台のラストステージで、緞帳が降りても、いつまでも鳴り止まない客席の拍手喝采を制して、鴻上尚史が出てきてとっさに放った一言
「ちゃんと終わらなきゃ、ちゃんと始められないでしょ。以上!」
を思い出します。

 

 さて、有安2.0に触れて、正直なところを言うと、それほど心浮き立つ思いがない自分がいるのは確かで。
 言われつくされているとおり、ももクロの中で、最もプロ意識が高くて、ファンの視点に立ってのセルフプロデュースを徹底しようと心がけていた彼女。どこか、見る側の身勝手な思いを投影して見ようとしていて、でもそうしようとするたびに「型にはまらない」ことに自分が勝手にイライラしていたのかもしれません。

国立競技場で彼女が最後のあいさつで話した「一歩ずつゆっくり歩調合わせながら前に進んでいけたら」という言葉。去年の年末に、それが少しアップデートされていました。

明日からの2019年も感謝と謙虚な気持ちを決して忘れずに、過去にとらわれる事なく未来を向いて自分の歩幅で一歩ずつ全力で生きていきたいと思います。

 
勝手に立ち止まって、置いていかれようとしているのは自分の都合。
そんなこと言ってないで、自分たちも動かないとね。

「レベッカ」

・シアタークリエ 3列3番
・脚本/歌詞: ミヒャエル・クンツェ、音楽/編曲: シルヴェスター・リーヴァイ、演出: 山田和也

 連日のお芝居観賞(&昨日の生駒ちゃんに続いての乃木坂現場)。
 たまたま観に行った「すべての犬は天国へ行く」で、その憑依演技っぷりにびっくりして、それが乃木坂46のキャプテンだと知って、「すぐにでも、劇団☆新感線の客演行けるやん、なんなら乃木坂に押しとどめとくにはもったいない」なんて思った桜井玲香
 それから3年、やはり見る人は見ているもんで、今回、東宝ミュージカルの大タイトルに抜擢されてのシアタークリエへいざ。
長年、舞台やらライブやらの生物を観てくると、確かに役者であり歌い手であり「あ、 ここで、この人はひとつ階段を上がったんだな」という瞬間に出会うことってあるもので、それがもしかしたら今回だったのかも。
 新入幕にもかかわらず、横綱涼風真世)や大関(出雲綾)と歌唱でも演技でも堂々と渡り合って、満席の大向こうからスタンディングオベーションを受けるとか、こりゃどうやら本格的に世間に見つかっちゃったみたいです。
 乃木坂46そのものには、ほとんど興味のない自分からすると、乱暴に言っちゃうと「キャプテンなんて放り出して、一刻も早く演劇の世界にきて欲しい」と強く強く思いました。

 そして涼風真世(かなめさん)は、ホントに宝塚時代に出会わなくてよかったかも。
 歌唱と立ち居振る舞いと表情だけで場を支配する迫力に加えて、カーテンコールで一瞬にして表情をほころばせる可愛げ、今日も圧倒されました。
 無防備な頃に、あの勢いでオスカルなんて観ちゃった日にゃあ、全て持っていかれてましたわ。

 

少年社中「トゥーランドット 〜廃墟に眠る少年の夢〜」

サンシャイン劇場 2階5列25番
・作・演出 毛利亘宏

乃木坂界隈のパイセンのお導きで、生駒ちゃんが出てるんならってことで、これまで全く縁のなかった「少年社中」の芝居へ。

少なくとも自分が社会人になってから出てきた劇団だから、随分と若手なんだろうなと思っていたら、旗揚げ20周年公演なんだとか。

そりゃあ、早稲田劇研でいま勢いがあるよ、なんて触れ込みの双数姉妹を観てたのなんて、かれこれ30年近く前になるわけだから、そりゃあさもありなん、か。

 

さて、感想。

随所に大隈講堂の匂いは感じさせつつも、(往年の第三舞台や新感線の役者陣と比べると)人種が違うんじゃないかとしか言いようのない手足の長い2.5次元のイケメンが完璧なダンスパフォーマンスを見せて、ベテラン勢もきちんと台詞の間をとってメリハリをつけて、脚本もちゃんと構造計算されていて、客席もそれに呼応して相当な熱量が…って、こういう”イマ”の芝居を真正面から受け止めるにはおじさんはちょっと歳をとり過ぎたかも。

劇中でしつこく繰り返されたセリフ「野田秀樹は終わった」は、確かに劇場の温度を上げるようなステージ側・客席側の熱量という意味では、そろそろ野田秀樹と取り巻く客層は、枯れ始めているのかも。

そして生駒里奈。この人は、ここ何作かを経て、もはやこっちの世界(演劇)の人になったなという説得力のある芝居だったけど、犬天の得体の知れない狂気を孕んだ役に比べると、脚本演出がそういう役割を求めていないから仕方ないとはいえ、出てきた瞬間「この子は人を殺しはしないな」という上品さを出した演技で、少しだけ物足りなかったかも。

「『ギア-GEAR-』East Version」358回転目

・千葉ポートシアター ??列?番

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新年初現場ってことで、意外に直前でもチケットを買えたので、安本ドールの回へ。
正午開演で、まあ神奈川からなら1時間ちょっとで行くでしょなんて余裕ぶっこいてたら、本千葉から1km近く歩きなさいとgoogle先生に言われて、ゼイゼイ言いながら開演間際に駆け込む体たらく。

内容は、良すぎますね。
こりゃあ、リピートが止まらないのもよくわかります。

春風亭昇太「オレスタイル」

ワッハホール

今年中に参戦できたらいいなあ~と思っていた昇太師匠の独演会、大阪で見られる幸運に恵まれて、はやくも実現しました。

東京だと、独演会は常にプラチナチケット化 or チケットに余りがあっても平日&交通の便が悪いとこでのライブ、ってことで行くチャンスはなかなかなくて。 東京の噺家にしては珍しく、大阪公演を積極的に行っているようで、数えて6回目ということだが、今回は初のワッハホールということもあってか(客層が老若男女バラエティに富んでいるため?)、アウェイ感ありあり。探りを入れる一席目の枕が長いのなんのって・・・。(師匠は、三席目の枕で反省してましたが)

考えてみれば、人生初の生落語なのだが、師匠自身がこのところ芝居側に寄ってきている(東京では、先月は舞台出演)のもあって、構成はいわゆる寄席っぽい感じではなく、暗転→導入部で「携帯電話撲滅キャンペーン」コントVTR→出囃子、という流れで入りやすかった。 演目は、以下の三席

 青菜(古典)    あらすじはこちら

 遠い記憶(新作)  小学生の時モテ過ぎた男が、今や女子社員にハナつまみものに
         扱われているサラリーマン。仕事でもポカをし、追われるように
         出身地に帰り、以前案内状をもらっていた「同窓会」に出席する
         ことになるのだが…。

 《中入り》

 不動坊(古典)    あらすじはこちら

いやあ~、面白かったわ~。 脂が乗り切っているヒトちゅうのは、何やらせても場の空気を一瞬にして支配してしまうもんで。
特に二席目の新作は、師匠お得意の動きまくる演目ちゅうこともあって、熱が一層入って動きまくる動きまくる。
三席目のオチの「弁慶」、実はよくわからなかったのだが、あとでネットで調べたところ、植木屋が言葉に詰まったので「弁慶」が「立ち往生」というダブルミーニングがこめられているようで、まさに「はたとひざを打ち」ましたよ。

こういうのを見ると、野田秀樹なんかがやっている言葉遊びにもちゃんと古典の裏づけがあるんだよなあ~などと再確認できたりして嬉しいもんです。

 

「モーツァルト!」

梅田芸術劇場
脚本・作詞: ミヒャエル・クンツェ
作曲   : シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞: 小池修一郎
出演   : 中川晃教西田ひかる高橋由美子香寿たつき山口祐一郎市村正親

2002年に好評を博した(らしい)ミュージカルの再演。
幼少時代から天才として名を馳せたモーツァルトの、成長にしたがってからの周囲の変化と内面の葛藤を描く。
天才性と少年性(って言葉あるのか?)を表すために、実際のモーツァルトの横に子役が、ずっと無言で芝居しているのだけど、なかなかいい構成だった。
ただ全体のテンションとホンがねえ。。。会社からそのまま脇目も振らず直行した(17時45分開演のため)だけに仕方ないのかもしれないけれど、いきなりハイテンションで「♪僕は~、苦悩してるんだ~」とやられてもなあ。。。
少し休み(笑)で間を置くとか、強弱をつければもう少し楽なのに、と思ったが、そもそもこの手のミュージカルってそんなもんじゃないっしょと言われるとそうなのかもしれないが。